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MEISSEN 【マイセン/豆知識】

「海外などのアンティーク屋さんで購入したのが、本当に年代物のマイセンでしょうか?」など、時々お手持ちのコレクションのお問合せがあります。特に海外では言葉の壁で詳しく聞けずということも多いようです。
 まずは勉強するのが一番。特に新しいものを中心にチェックポイントをご紹介します。


■「これは本物?」まずはバックスタンプを調べよう/マイセン
マイセンの証である双剣のマークが入っているでしょうか?
マークと併記でMeissen、since ....と文字が書かれていたらちょっと注意が必要です。最近では、マイセンのバックスタンプのほかに、ペインター番号や柄番号までまねした偽物もインターネットオークションなどに登場しています。(バックスタンプは必ず手描きです。印刷ではないです。)

ブランド品のように、残念ながらアジア製と思われるマイセン陶磁器の偽物が登場してます。写真だけではわかりにくいのですが、値段も含め(あまりにも安い場合はちょっと疑うことが必要です)
ご自身で判断することが大切です。(もちろん偽物でもOKという方はいいでしょう。)マイセンスタイル(マイセン風)といって売られているものも要注意。

時代とともにマイセンの磁器にかかれている双剣マークは変化しております。おおよその年代はマークで判定できます。下のプレートに描かれているマークはその一例です。
 でもごくたまにですが、心無い人が別の品物に双剣マークを書き入れてマイセンのものと高額で販売していたり、マイセンの白磁に他の人が絵付けしてマイセンのものとしてオークションにだしていたりということもございます。そうなると、絵付けの状態やこの絵付けが本当にマイセンで作られていたのかなどから判断することとなり、専門家でも難しいものも。でも本物を沢山見ていると、これはちょっと怪しい?と感じられようになれるはずです。
  
■マイセンバックマーク/最近のマイセン

 まず製品の裏に描かれているマイセンの双剣マークを確認しましょう。
写真は現在のマーク。絵付けがされているものの場合は
朱でペインターの番号/絵柄の番号などが書かれてます。
でも、近年のものではカップの方には絵柄の番号がないものもあるようです。
また、ペインターさんの個性的な文字や、ブルーオニオン等染付けタイプのものでは文字がつぶれていて読めない事が多いです。
波の戯れのような白磁のものにはヴァイス(白色)という文字がかかれてます。
白磁に絵付けをして、販売するのを防ぐためです。

さらに、ごく最近のものはブルーのマイセン双剣マークに近くに、小さな双剣マークが彫られています
(赤の矢印)
朱色の数字は、シリーズ番号と、ぺインター番号
ごく最近のものは、ブルーのマイセン双剣マークに近くに、小さな双剣マークが彫られています(赤の矢印)。
Bフォームなので、小花などの絵付けのペインター番号と、金彩のぺインター番号が書かれます
ごく最近のものなので、ブルーのマイセン双剣マークに近くに、小さな双剣マークが彫られています(赤の矢印)。
赤いのがペインター番号。 シリーズの番号(写真の上)ペインター番号(写真下)が書かれます。滲み見えにくい場合もあります
下に白と書いてあります。マイセンから白磁の状態で出荷しているものですから、これに絵付けして売っていたら、マイセン以外のペインターの方が後に絵付けした事を意味してます。
また、同様に絵付け用に販売されているhobby collectionにはマイセンマークに1本スクラッチが入ってます。
絵付け用に販売されていた白磁には、「HOBBY COLLECTION」と文字が書かれてます。現在は販売されておりません。 ■マイセン/アウトレット品
マイセン双剣マーク上に1本のスクラッチ(2級品)
ドイツでは定価の2割引き程度で販売されてます

マイセン双剣マーク上に4本のスクラッチ
社内販売品等

何らかの理由でアウトレットになり、特別価格で出荷されたものは、後日正規価格で販売されることのないよう、マークの上にスクラッチが入れ出荷されます。
■近年のマイセン
 1957~1985年のものには、裏のマイセンマークの横にブルーの小さな線(または点)が入ってます。旧東ドイツ時代に製作されたものです。
 通常アンティークは100年経過したものですので、これらは比較的新しいといえます。
マイセンマークの下に印
 1957~1972年に製作されたもの
マイセンマークの右に印
 1972~1980年に製作されたもの
マイセンマークの下左に印 1980年以降
■近年のマイセン/限定生産品
 マイセンでは記念の年に世界限定品としてその時代のマークなどを入れた製品などもだしてます。以下はその一例です。これらの限定品は裏に特別のマークが入ってます。また、生産数が決まっていて通し番号が入っていたり、証明書がついたものもあり、通常の製品と異なります。
1999年限定品
19個生産分のうちの17番目という意味です
2000年限定品
アウグスト強王のモノグラム、ARに限定復刻生産された2000年の文字が入ったもの
2003年限定品
ローズエディションなので、金で薔薇の絵が描かれてます
2004年限定品 シンビルダー
2005年 2006年 2007年 2009年限定品 マイセン創立275周年記念品
マイセン創立275周年記念に生産された品物
2006年限定品 ケンドラーエディション 2010年限定品 マイセン窯300周年記念

マイセン/チョコレートポット/(2008年世界限定品)
 世界限定50個 マイセン証明書付き
マイセン/雌鶏ポット/(2015年世界限定品)
 世界限定100個 マイセン証明書付き
 
マイセン/フラワーベース/2006年限定品
世界限定100個 マイセン証明書付き

マイセン/シノワズリ 孔雀8角形プレート/2006年限定品
 世界限定100個 マイセン証明書付き
陶板はアトリエ時代に製作されたプラークには、写真のようなAのマークが入ってます ハインツ・ヴェルナー氏デザインのHWという文字が入っているものもあります。ヴェルナー氏直筆というわけではありません
■マイセンマークの変遷
 時代とともにかわってきたマイセンのバックマーク。手描きですので、それぞれ微妙にことなりますので、古い物の年代鑑定になると、その作品が発表された文献なども調べなければ詳しい事はわかりません。ここでは代表的なものをあげてみました。
現代のもの 1945年第二次世界大戦後~1947年
1924~1933年
マックス・アドルフ・フィアファーの経営時代
1820~1924年
この時期がとても長いです
1774~1815年
マルコリーニが工場長だった時代
■マイセンの陶板に書き込まれた文字
 マイセンでも陶板など技術を要するものは以前はアトリエで製作され、「A」というサインが入っていました。アトリエをひきいていらしゃったシュトラング氏の引退に伴い、アトリエ部門は絵付け部門の一部となったため、現在製作される陶板にこの「A」マークは入りません。マイセンに倉庫に在庫がありアトリエ時代に製作されたもののみ、このマークが入ったものが出荷されます。現在はこの印は入りません。
陶板はアトリエ時代に製作されたプラークには、写真のようなAのマークが入ってます ハインツ・ヴェルナー氏デザインのHWという文字が入っているものもあります。ヴェルナー氏直筆というわけではありません
■ユニカート(ウニカート)
 マイセンの特別な作家が、マイセン窯で古くから作られているのとは別に製作した1点ものの作品、ユニカート(ウニカート、ユニークピースなどとも呼ばれてます)は、アトリエで作られ、マイセンの証明書がついている特別のものです。それぞれがこの世に1点の芸術作品、コレクターにとっては宝物です。


ウニカートのページ
ザビーネ・バックス女史  シルビア・クレーデ女史合作 ウニカート鏡「真夜中の叫び」 127/2000
■絵具について
 ドイツは環境基準に厳しい国です。
 昔は使われていたが、現在は使うことができなくなってしまった絵具も多いそうです。食器は玩具と同じカテゴリー、人が口にするものですので、輸入時に食品検査がございます。
 古いものと現在のものでは色目が違うという話もききますが、絵具の違いもそのひとつの理由かもしれません。


 マイセンは手描きですので、1点から注文が可能です。数十年経過後に、もうもう一客ということもできます。(ウェッジウッドなどは転写ですので、製造中止になると入手ができません。)
 しかしながら、現在は通常製造するシリーズが限定傾向にあり、それ以外のものは個別に見積もりとなってきています。近代化の波に飲まれてきているのでしょうか・・。少々残念ですが、細々でも、300年続いた技術を引き継いで行ってほしいと願ってます。

Bフォーム
紺色以外は特別生生産です

明朝ドラゴン 全部で9色 
こんな揃え方も素敵です


インドの華 全部で8色
■復刻製造
 見たことがないが、本物であろうか?
世界限定品として、現在製造されてない商品が数限定で販売されることがございます。
製造が難しいため量産できなかったか?と思われるお品も多数。そのうえ、お値段もマイセンとしては・・ですが控えぎみです。要チェックです!

マイセン/300周年記念限定(2011/2012年)
 チューリップのカップ 原型ケンドラー

マイセン/パグ ボックス/(2005年-2006年限定品)
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マイセン(ドイツ)  *写真一覧
■マイセン磁器の歴史
 ヨーロッパで初めて白磁の製造に成功したマイセン窯の歴史を簡単に紹介しております


■マイセン磁器豆知識~現代編
 高級磁器窯だけに贋作も多くあります。近年のものを中心に見分け方をご紹介しております


■マイセンシェイプ表
 マイセン磁器の形(抜粋)をご紹介しております

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